わが妻、卑弥呼が女の裸に興味を持つ

わが妻、卑弥呼が、最近、女性の裸に興味を持っている。もちろんそれは、性的な興味からではなかった。卑弥呼は男根模様のあしらわれた麻製の布団をかぶり、亀頭の形によく似た枕で、尿道に相当する部分に後頭部をはめ込んで寝るほどの男好きなので、女を抱きたいと思うことはないはずだった。彼女の関心の中心は、自分の体と比べてあの女はどうなのか、ということと、自分が女としてどれだけの価値があるかということだった。
もちろん王だから、女たちに命じて服を脱がせたりするのは可能なのだけれど、それはどうも恥ずかしいと思っているらしく、肉や魚に特製の下剤をまぶして食べさせるという、なんとも回りくどい方法で自然に服を脱がせようとしていた。

わが妻、卑弥呼特製の下剤は、鼻糞と、丹念に毛を抜いた毛虫を混ぜてすりつぶして作る。毛虫にもともと下痢になる成分が含まれているのだけれど、それをそのまま口にすると苦すぎて、異物が入っていると見抜かれてしまうので、味をまろやかにするために鼻糞を入れる。乱獲が過ぎると、鼻糞は底をついてしまう。夢中で奥まで掘ってしまい、血が出てしまい、血が混じった鼻糞を混ぜざるを得ないことも多かった。
なお、卑弥呼は料理はまったくしないので、この下剤は、彼女唯一の手料理に相当すると言っていいだろう。仮に各国の王が集まって、手料理を振る舞うホームパーティが執り行われることがあったら大騒ぎになるはずだから、そのようなパーティの開催は何としてでも阻止したいと思う。

肉や魚を振る舞われた女性は、卑弥呼の突然の気前のよさに首を傾げながらも、めったにない機会だからと夢中で食べた。案の定、彼女たちはたちまち下痢になった。卑弥呼は「急いで食べるからこうなるんだ」と舌打ちするが、嬉しさのあまり、思わず笑顔がこぼれる。治療と称して貫頭衣を下からまくり上げ、触診するふりをして乳を観察した。

このようにして、卑弥呼の罠によって露わにされた女性たちの乳首は、ほとんどの場合、卑弥呼より色が濃かった。わが妻、卑弥呼の乳首は桃色なのだが、彼女はそのことを少し恥じていた。なぜなら、この時代では、乳首は大きければ大きいほど、黒ければ黒いほど性的な魅力があるとされているからだった。猿と人間の間にいるような馬鹿も多かったから、そんな馬鹿でもどこを舐めればよいのかわかるような、わかりやすい乳首こそが優秀な乳首であり、数百メートル先から見て、胸がつるんつるんに見えてしまうほど薄い桃色の乳首には、性的な魅力はないし、女とはみなされない。まったくお呼びでなかったのだった。

わが妻、卑弥呼は焦って誰彼かまわず下剤を飲ませ、自分より薄い色の乳首探しに躍起になったが、残念ながら、どの女の乳首も卑弥呼よりは濃かった。悩んだ末、乳首に黒い刺青を入れようとしたが、邪馬台国の刺青師の技術の低さは隣国にも知れ渡るほどで、参考にと施術に失敗した被害者に乳首を見せてもらったが、乳首が三角形にされてしまっており、卑弥呼は神妙な顔をしながら笑うのを必死でこらえた。どんな色が薄い乳首でも、三角形の乳首よりはましだろう、と思い、刺青はあきらめることにした。

「ねえ、ひさしぶりにどう?」
卑弥呼が自分の布団にぼくを誘った。たしかに最近何もなかったなと思い、卑弥呼の衣を脱がすと、心なしかいつもより色の濃い乳首が現れた。暗闇だから色濃く見えるのかと思い、乳首を口に含むと、たちまち口の中がザラザラして、交わるどころではなかった。
「ペッペッペッ!ちょっと…これは何だい」
「いや…ちょっと土を塗ってみただけだよ」
「なぜそんな…別にそんなことしなくても、ぼくはありのままの…」
「どういう意味?土が塗ってあるくらいでガタガタ言わないでよ!本当に器の小さい男なんだから!」

その夜、卑弥呼の機嫌はとても悪くなり、無実の罪で三人の善良な男女が卑弥呼によって死刑を言い渡された。